拡大する LCC(低コスト航空会社)を引っ張っているのはアジアだ

はじめに
大切な定義:LCC(Low Cost Carrier) とは低コスト航空会社のことです。日本で使われている格安航空という表現は本質を見えにくくさせている。低コストな航空会社ゆえに格安な航空会社になりえるのです。
 
Amadeus Air Trafficの説明: Amadeus というと、この分野に従事しない者には、世界中の航空会社の購入と予約に関わる国際航空ネットワークシステム、という捉え方が一般的ではないでしょうか。
"Amadeus Air Traffic is part of Amadeus’ Travel Intelligence Portfolio" とAmadeusサイトに書いてある。興味ある方は www.amadeus.com/my/x228472.html をご覧ください。

【Amadeus Air Trafficが示すLCC(低コスト航空会社)の統計数字】


注:この文中に現れる数字とパーセントはいちいち明記されていない場合でも、数字は2013年上半期または2012年上半期のものであり、パーセントは2012年上半期に対する2013年上半期の変化割合です。

世界のLCC(低コスト航空会社)が提供する総座席数(総定員数)の伸び分の50%超をインドネシア(1230万座席増加)、インド(300万座席増加)、タイ(200万座席増加)、マレーシア(180万座席増加)の低コスト航空会社が占めている。 

首都だけに絞った、LCCの総座席数(総定員数)に関して

インドネシアの首都においては、LCC(低コスト航空会社)の座席数増加が世界の首都中で最多であり、280万座席増えた。この結果ジャカルタの総座席数に占めるLCCの座席総数の割合が2012年上半期の42%から2013年は51%に上昇した。

バンコクにおいては、LCCの座席数が120万座席増えた。総座席数に占める割合では、4%増えて2013年上半期は26%になった。

クアラルンプールにおけるLCCの座席増加数は100万座席でした。
この結果、首都における全てのフライトが提供する総座席数に低コスト航空会社の座席数が占める割合はクアラルンプールが最高であり、その率は52%になる。これは2012年上半期に比べて1%上昇した。
Intraasia注:ちなみに東京の LCCの座席総数に対する割合はわずか5%です。

世界の都市におけるLCC(低コスト航空会社)の総定員数のトップ5 -2013年上半期


世界のLCC(低コスト航空会社)の提供座席総数(総定員数)を都市別にみると、ロンドンが最多であり、14,770,173座席、2位はブラジルのサンパウロで10,751,221座席、3位がジャカルタで9,380,306座席です。クアラルンプールは4位で8,155,005座席です。5位が米国のラスベガスで7,515,394座席です。

LCC(低コスト航空会社)の座席総数の伸び率では、ジャカルタが44%、クアラルンプールが15%です。この伸び率を考慮すると、(上記で言及した)座席数順位で3位と4位の両都市は今後その順位を上げていくだろう、と Amadeus は観ています。

「アジア中でLCC(低コスト航空会社)の座席総数(総定員数)では起こるべくして起こった急成長が見られます。アジアではある二つの都市間を結ぶフライトは概して十分に運行されていません。一方成熟したマーケットであるヨーロッパと北米では定員数に制約が加えられている。こうした点が、幾つかのLCC(低コスト航空会社)は将来の成長を確保するために新たな取り組みを考えていることを説明するものでしょう。」と AmadeusのLCC専門家は観ています。

【イントラアジアのコメント】

マレーシアにおけるLCC座席の総定員数が上半期で8,155,005座席ということですから、1日当たり44,807座席になる。マレーシアのLCC(低コスト航空会社)は圧倒的多数を Malaysia AirAsia が占めて1日に計400便近くは飛ばしているでしょうから、この数字には大体納得できる。

マレーシアの人口は2013年時点で3000万人弱、ブラジルとインドネシアは2億人前後の人口超大国であり、英国の人口はマレーシアの2倍をやや超える。ということから人口規模から比較すると、マレーシアのLCC(低コスト航空会社)座席数がいかに多いかがおわかりになるでしょう。
AirAsia の本拠地である、クアラルンプール国際空港LCCターミナルを実際に利用されれば、いかに AirAsia の利用者が多いかが実感できます。

アジアでLCC(低コスト航空会社)ビジネスの最大の伸び率を示し且つ今後も大いに伸びが期待されるのが、インドネシアというのにもうなづけます。
インドネシアは東から西までの距離5千キロ、人の住んでいる島だけで数百あるという広大な領海と領土を持つ、人口超大国です。ですから、国民の所得の伸びを反映してLCC(低コスト航空会社)乗客が増える土壌があります。

次の記事は、2013年11月上旬にマレーシアのマスコミに載った記事を抜粋したものです。

【AirAsia グループのトップ経営者2人の AirAsia ビジネス戦略】

AirAsia の共同創業者でもある、 AirAsia グループの最高経営責任者は声明で語る、「我々(2人の創業者兼グループトップ経営者のこと)は AirAsia Bhdの経営により関与を強めていきます、そして利益を引き下げる要因になっているコストの削減を推し進めていきます。」 (マレーシアを本拠地とする) AirAsia Bhdは乗客数においてアジアで最大のLCC(低コスト航空会社)です。

Intraasia注: AirAsia グループの核がAirAsia Bhd つまりマレーシア AirAsia です。Bhd とはブルハットと発音し、ここでは上場会社の意味です。

2人の創業者兼グループトップ経営者である Tony Fernandes と Kamarudin Meranun は(1,2年前に)インドネシアへ基盤を移して東南アジア本部を設置して、そこで AirAsia グループの東南アジア及び近隣圏への航空ビジネス展開に重点的に取り組んでいました。

これから2人は東南アジア本部を(マレーシアに)移して、 その機能を AirAsia Bhd の本社に一体化することになります。こうしてAirAsia Bhdの経営を簡素化します。AirAsia Bhdは今年6月の第2四半期決算では純利益が62%落ちていました。

グループ最高経営責任者は語る、「我々2人が AirAsia Bhdの経営により関与します、我がグループは引き続き東南アジアでの成長を続けていき、コスト削減にも引き続き力を注いでいく。」 「 AirAsia はずっとコスト削減活動をしてきた、それが第3四半期で良い結果を生んだ。第4四半期もこれを続けていきます。」 
第3四半期の決算状況は11月半ばに発表されます。

AirAsia のその会社声明で述べました:
Fernandes氏は AirAsia グループ最高経営責任者に再任されて、 (東南アジアなどにおける)AirAsia のブランド力の推進及びAirAsia 各社のコスト削減、より効率化に責任を持って行くことになる。 
Kamarudin氏は AirAsia 取締役会の常勤会長の職に就いて、マレーシアの政府及び航空関連官庁と空港との交渉に関わることになる。

ところで Kamarudin氏は、 AirAsia は株主への配当金方針を維持したいと、記者団に語りました。 「AirAsia の配当金方針は、年間配当金は営業利益の最高20%までとする。前回の年度決算である2012年12月末決算において、 AirAsia は特別配当金として18セント/株、これは通常配当金の6セントに上乗せです。よって年間配当金は24セント/株になる。」
また彼は AirAsia グループに属する会社の株式を他者に販売することも選択肢としていると語りました。「例えば旅行保険を引受けている、 Tune Ins Holdings Bhdにおいて AirAsia は17%の株式を保有している。」

【イントラアジアのコメント】

AirAsia グループのトップ2人がインドネシアのジャカルタに東南アジア本部を設置して基盤をそこに移した、そのために AirAsia Bhdの新最高経営責任者には内部から若い女性が抜擢された、この件は昨年話題を呼ぶニュースになった。どうやらこの方針に修正が起きたようです。2人が AirAsia 本体である AirAsia Bhd の経営に再びかなり関わるということらしい。

AirAsia グループはマレーシアを含めた関係国で計1万ぐらいの従業員を抱えているそうであり、一般市民にも非常に馴染みあるブランド兼航空会社となっている。とりわけマレーシアでは AirAsia は企業としてトップクラスの存在です。  AirAsia はマレーシアの土壌を大変賢く活用して航空ビジネスを急成長させてきた、加えて旅行保険や携帯電話網会社などの付随ビジネスも立ち上げて複合的に発展させている。 AirAsia はまた、東南アジアでもその土壌を利用して航空ビジネスの拡大に成功してきました。

LCC(低コスト航空会社)は今後もその伸びが期待される中で、世界でも有数のLCC(低コスト航空会社)グループとなった AirAsia グループの成長基調はこれからも続くのではないでしょうか。
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マレーシア情報を1996年以来発信し続けている Intraasia のエアアジア専門ブログへようこそ! (2010年10月ブログ開始)
AirAsia が初飛行を開始した2002年以来、Intraasia はAirAsiaを観察し利用しています。

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