格安航空エアアジア(AirAsia)は徹底した低コスト航空会社である

エアアジア(AirAsia)のような、航空券を常時安価で提供する航空会社を日本では格安航空と呼んでいますね。それはそれでいいのですが、なぜその航空券を常時安価に維持できるかにもっと注目していただきたいと思います。格安航空はマレーシアを含め外国ではその英語呼称を使って Low Cost Carrier、 略して LCCと呼んでいます。LCCとは低コスト航空会社という意味です。この呼称の意味するところが大事なのです。

エアアジア(AirAsia)は単に機内サービスを簡素化していることだけで航空券を常時安価にしているわけではありません。もしそうであったら、エアアジア(AirAsia)の格安スタイルが7年も8年も継続しているなんてこと不可能です。エアアジア(AirAsia)のビジネスモデルは恐らくほとんどの日本人航空便利用者にはまだ理解されていないはずです。なぜならそのビジネスモデルは日本的な航空会社モデルとはかなりかけ離れたものだからです。

いくつかの例を挙げてみるのが手っ取り早いでしょう。

[本拠地は KLIAの 低コストターミナル]


まずエアアジア(AirAsia)の本拠地である KLIA LCC ターミナルのことです。これを日本語に訳せば”クアラルンプール国際空港 低コストターミナル”となります。エアアジア(AirAsia)の発着は KLIA の別のターミナルで行われています。低コストターミナルはKLIA の敷地内にあり、エアアジア(AirAsia)機は通常航空会社と同じ滑走路を使用しています。ただ低コストターミナルは滑走路をはさんでメインターミナルのちょうど反対側に位置しており、メインターミナルとの間には交通手段がまったくありません。 そのため低コストターミナルを利用する人はクアラルンプールからメインターミナルを経由しないまったく別路線の空港バスを利用しなければなりません。クアラルンプールとを結ぶ空港電車は低コストターミナルからはるか離れた地点を走行しています。

低コストターミナルにつながる道路自体、メインターミナルから専用道路があるわけではなく、タクシーも自家用車もメインターミナルとは別ルートの道路を走行するわけです。このためクアラルンプールからの空港までのバス所要時間で、15分ぐらい余分にかかることになっています。

2006年に急遽建設された LCCターミナル(低コストターミナル)がメインターミナルに比べて交通面で多少遠く且つ不便であるのに、エアアジア(AirAsia)があえて利用しているのは次のような理由からです。KLIAのメインターミナルで発着すれば、航空機発着料が高くなること、(搭乗者が直接航空機に搭乗できる)エアブリッジなどの利用によるコスト負担を避けるためです。それが結果的に利用者が払う空港利用税も低く抑えられています。ところでマレーシア航空がエアアジア(AirAsia)のメインターミナル利用に反対していたことは公然の秘密でした。 

エアアジア(AirAsia)は2002年の飛行開始当初は、クアラルンプールの元の国際空港であるスバン空港を利用していました。その後2002年半ばにKLIA(クアラルンプール国際空港)のメインターミナルに移って4年ほど発着してから、2006年3月に低コスト航空専用に安普請で建築された LCCターミナル(低コストターミナル)に再度引越ししたのです。

現在のLCCターミナル(低コストターミナル)は建設当時のLCCターミナルに比べてはるかに機能、施設・設備、サービスの全ての面で大きく向上し、且つ建物増築で床面積も5割ぐらい増えており、いかにも低コストターミナルであるというにはちょっと語弊があるほどです。建設して1年ほどの間のLCCターミナルの状態は、たとえば待合ホールのベンチさえ不十分というように、あらゆる面で狭く、サービスも最低限のサービスだけが提供されている状態でした。しかし利用者数の飛躍的増加に従って、LCCターミナルの設備施設が次第に整い、サービス自体も向上してきました。2009年には建物自体が増築されて国際線用に使われています。これは、まさにエアアジア(AirAsia)利用者増大のおかげといえるプラスの変化です。

LCCターミナルの AirAsia 機
LCCターミナルに駐機している AirAsia 機の写真です、2011年8月撮影して追加。

[近い将来本拠地空港ターミナルを再度移転します]

エアアジア(AirAsia)利用者数の飛躍的増大によって、現在の向上したLCCターミナル(低コストターミナル)もあと数年で計画許容利用者数に達してしまうことが確実な状況です。そのため、国内政治の影響も反映した結果として、KLIAメインターミナルの並びの位置に新しいLCCターミナル(低コストターミナル)を建設することが2009年最終的に決まりました。そしてすでに建設が開始されているはずです。メインターミナルのならびに位置することから、空港電車が路線を延ばす計画があります(すでに本決定されたはずです)。新LCCターミナルが竣工したあかつきには、クアラルンプールとの交通面がメインターミナル並みに向上し、そしてLCCターミナルとメインターミナル間の行き来がぐっと便利になることでしょう。

エアアジア(AirAsia)にとって、3回目の引越しによってようやく半永久的な本拠地ターミナルに落ち着くことができることになります。マレーシアで発足し、マレーシアでその成功の基礎を築いたエアアジア(AirAsia)であっても、その本拠地空港ターミナルを得るまでに足掛け10年ほどかかることになるのです。つまりこれほど成功したエアアジア(AirAsia)といえどもマレーシア政界までも含めて航空界主流とのあつれきにかなり力を割いてきました。格安航空の勢力拡大は世界的な潮流なので、日本にもその流れがようやくやってきたと捉えられます。その際、日本の航空当局を含めて日本人利用者は格安航空の本来のコンセプトを理解する必要がありますが、それには年月がかかるということが、マレーシアの例からわかりますね。

この話題は次回に続きます。



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Author:airasia
マレーシア情報を1996年以来発信し続けている Intraasia のエアアジア専門ブログへようこそ! (2010年10月ブログ開始)
AirAsia が初飛行を開始した2002年以来、Intraasia はAirAsiaを観察し利用しています。

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